特定非営利法人

理事長より年頭のご挨拶

新年、明けましておめでとうございます。
びーのびーのは今年25周年を迎えます。
気持ちも新たに、この港北区において、一人ひとりが子育てに誇りが持てる、そんな地域づくりのために、地域の皆様とともにこれからも尽力してまいります。

昨年のNHKの朝ドラ「虎に翼」は、多くの女性たちの共感を呼びました。学校では男女ともに学べても、社会でその学びや意欲を活かすことができなかった時代、子育てや家事に今以上に手がかかり、両立をしようとしたら周りに大きな影響を与えてしまう社会が描かれていました。
それを払しょくしたのが、戦後の新憲法。平和と国民の平等を謳っていることに勇気づけられて、寅子が子育てに仕事にまい進する姿に、多くの女性たちが共感したのではないでしょうか。

冒頭でもお伝えしたとおり、びーのびーのは、今年25周年を迎えます。立ち上げメンバーは、50~60代となりました。
雇用機会均等法施行が始まった前後の世代で、学校卒業後多くの女性たちは一般企業での就労キャリアを持っている人がほとんどです。しかし、子育てと仕事を両立することがかなわず、いったん家庭に入り、私たちNPO法人で新たに働く選択をしてくれた女性たちです。いま、私たちの現場で出会う子育て家庭は、多くがフルタイム勤務で育児休業中の方々です。こうしてみると家庭のありよう、女性たちの状況の変化を体感します。そしてその根幹に法律や制度の力を感じることになります。

さて、子ども・子育て支援の分野では、法律やそれに基づくその制度づくりが次々打ち出されています。その影響はきっとじわじわと社会に浸透していくのでしょう。令和5年4月こども基本法制定、こども家庭庁スタート、そして令和6年4月のこども大綱の施行により各自治体は令和7年度からスタートする5か年計画である市町村こども計画(横浜市では、「こども、みんなが主役!よこはまわくわくプラン」という名称の予定)を策定中です。

現在、国、都道府県、市区町村もこのような制度改革においては、当事者の意見を聞くことを大事にしています。そこで各審議会や委員会等に、びーのびーのは法人を代表してスタッフが参加、または、まさに子育て当事者である方々になるべく参加していただくように働きかけています。制度づくりには当事者の意見が欠かせないと思うからです。そして、その制度は生活に大きな影響を与えるものだからです。

例えば103万円の壁、106万円の壁、130万円の壁など、女性の働き方に関わる年間所得の壁の問題がクローズアップされています。なぜ多くの場合女性たちだけに関わる壁なのでしょうか。日本の家族の状況は大きく変わりつつあります。夫婦と未婚のこどもの家庭は、いまや26%程度です。夫婦のみの家庭が25%で、一番多いのが単身世帯で33%です。家族のありよう、一人ひとりの暮らしの状況が変わっても、制度が追いつくのには時間がかかる典型例です。むしろ個人に着目し、家族の中にあっても一人一人が大切にされる社会を合わせて構築していかなくては、若者たちに結婚・子育ての良さについて自信をもって伝えられないような気がしています。一人でいる方がしばられず気楽で幸せそうだと感じるほど、誰かと暮らしたり子どもを産み育てることによって失うことの方が大きいと感じさせている社会なんだと思うからです。

現在放映中の朝ドラ「おむすび」では、「プロ野球選手になって、幸せにしてやりたかった」というパートナーに、「幸せにしてもらおうなんて思っていない、二人で幸せになる、なにがなんでも」と女性が答える場面がありました。男女の対等な感じが「いまどき」に見えました。

100歳長寿の3つの秘訣は、「食物繊維をとる」「生活上の日常的活動」「つながりをもつ」そして共通点は「生きがいを持つ」ことだそうです。その方々の人生の最大のトピックスは、「戦争が終わったこと」でした。やはり、人は社会的動物、いろんな人とのつながりのなかで生かされ、目標をもって生きている存在なんですね。さらに、社会が平和であることが何よりも大切であると先達に教えていただきました。

さあ、今年はどんなつながりが生まれるのでしょうか。ワクワクしてきました。
みなさまにとっても、穏やかな生活のなかに、何かチャレンジングなワクワクのある年となりますように。
私たち、NPO法人びーのびーのも、新しい社会変革に向けて歩み続けたいと思っています。

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

 

2025年元旦

認定NPO法人びーのびーの

理事長 奥山千鶴子

びーの 管理者

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